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以降は、少し古い情報です。追い追い更新してゆきます。
第45期総会議案書を公開しています。ただし、予算書と決算書は公開しません。予算書・決算書を必要とする会員の方は別途資料送付を行いますので氏名、住所等を記載し請求をおこなってください。
第1号議案
2018年度活動報告
(2018年7月1日~2019年6月30日)
1. 活動経過
昨年12月に発効した環太平洋連携協定(TPP)では、牛肉の関税38.5%を15年後には9%にまで削減するなど、重要品目の多くで関税を削減・撤廃し、今年2月に発効した日欧EPAでは、ソフト系チーズやワインの関税撤廃に応じた。国内では、コメの生産調整に協力する農家への「戸別所得補償」の全廃や主要農産物種子法廃止など、家族農家を支えてきた基盤が揺らぎ始めている。
世界に目を転じると、大規模化・企業化から、小規模・家族農業に目を向け支援を行うことで、飢餓や貧困の克服、持続可能な発展、環境の保全をはかろうという流れに転換が進んでいる。残念ながら日本は棄権したが、2018年11月、国連総会第3委員会は「小農と農村で働く人びとの権利に関する国連宣言(小農の権利宣言、以下「小農宣言」)を賛成119の多数で採択した。
このようななかで、山崎農業究所は、家族農業や小農の持つ重要性、可能性に目を向けてきた。9月の総会(台風で7月~9月に順延)での山崎記念農業賞は、神奈川県三浦で多品種少量生産で農家直売を営んでいる高梨農場の高梨雅人氏に授与した。また同総会では小泉浩郎前所長から山路永司新所長に交代し、佐々木哲美氏、高木茂氏2名の幹事を加え、新しい体制でスタートした。
10月の現地研究会では、埼玉県熊谷市妻沼地区を本拠として障がい者福祉に取り組んでいる埼玉福興株式会社(代表:新井利昌氏)をたずね、農業現場における障害者福祉について学ぶ機会を得た。
2018年4月には、定例研究会として初めて映画上映会を催した。上映作品は、武蔵野地域で江戸時代から続く伝統的な落ち葉堆肥農法を今に伝える、北武蔵野地域(埼玉県三富新田とその周辺)の農業と農家の人々の生活の様子を追ったドキュメンタリーである。
一方、事務局員の本来業務がここ数年では最も多忙を極めた期であったため、研究会開催や機関紙の発行が滞り気味になり、機関紙耕は145,146号を合併号として発行せざるを得なかった。また、会員の高齢化や会員数の停滞も大きな課題となっており、前記の総会でも確認した研究所の今後の活動についての抜本的な見直しの検討が必要になってきている。
山崎農業研究所は、故山崎不二夫先生(東大名誉教授)を中心に1974年に創設され、今回の総会で創立45周年を迎える。この間、研究所は農業農村問題を中心に、時に批判を、時に提言を世に問い続けてきたが、45周年を機に、これまで果たしてきた役割を総括し、広く会員からの意見、提案を募りながら、研究所の今後についての方向性を定めていきたい。
2.会員の動向
(1)会員数
時点 会員数 退会 入会
2018年 6月30日 160名
2019年 6月30日 155名 退会7名、入会2名
(5) 会員の所在地
北海道 6 石川 0 岡山 1
青森 1 福井 2 広島 1
岩手 0 山梨 1 山口 0
宮城 3 長野 3 徳島 0
秋田 1 岐阜 0 香川 0
山形 1 静岡 1 愛媛 0
福島 2 愛知 2 高知 0
茨城 20 三重 2 福岡 3
栃木 3 滋賀 1 佐賀 0
群馬 3 京都 1 長崎 1
埼玉 12 大阪 0 熊本 2
千葉 16 兵庫 1 大分 6
東京 42 奈良 0 宮崎 0
神奈川13 和歌山 0 鹿児島 1
新潟 2 鳥取 0 沖縄 0
富山 1 島根 0 合計 155
4.組織運営
(1) 幹事会 (以下50音順)
幹 事(所 長)山路永司
同 (事務局長)渡邊 博
同 石川秀勇、佐々木哲美、塩谷哲夫、田口 均、西山和宏、
高木 茂、益永八尋、
監 事 松野 肇
(2) 事務局
渡邊 博(事務局長・総括)、田口 均(機関誌、出版)、
佐々木哲美、高木 茂(企画、研究会) 益永八尋(会計)
(3) 顧問(アイウエオ順)
熊澤喜久雄、小泉浩郎、田渕俊雄、中川昭一郎、松坂正次郎、安富六郎
(4) 幹事会の開催
第1回幹事会 2019年 3月 29日 (幹事 4名、顧問1名)
第2回幹事会 2019年 4月 26日 (幹事 5名)
第3回幹事会 2019年 5月 31日 (幹事 6名)
適宜メール、電話での相談を主とし、会議形式は3回の開催
(5)山崎記念農業賞選考(事務局)会議の開催
農業賞選考会議 2019年 5月 31日 (幹事 6名)
幹事会をかねて選考会を開催
5.活動内容
(1) 機関紙「耕」の発行
145号/146号合併号
2018年 6月10日 (部数;320部、寄贈 89部)
特集-1 「小農宣言と日本農業」
特集-2 「3.11から8年 問われるべきは何か」
147号 2018年9月1日 (部数;320部、寄贈 87部)
特集 現地研究会「埼玉福興から学ぶソーシャルファーム」等
機関紙「耕」寄贈先
※個人・団体 20、大学付属図書館 31、都道府県立図書館 36 合計87箇所
※国立国会図書館には納本している。
(2)はがき通信 3回発行
No.256 (18/8/17)、No.257 (19/4/1)、No.258(19/06/01)
,
(3)電子耕(メルマガ)3回発行
第408号~第410号、 発行部数685部
(4)研究所ニュース(会員向け)3回発行
第13号(18/10/01)、第12号(19/01/01)、第13号(19/06/17)
(5)ホームページ、情報ネットワークの活用
1日当たりのHP訪問数や検索ページ数はHPをリニュアールした2015年に大幅に上昇したが、その後は多少の増減はあるものの安定的に推移している。2018年度の1日当たり訪問数は90件以上で2015年以来のアクセス数であった。ここでのアクセス数は、いわゆる表紙だけ見て中身を見ないといったヒット数ではなく、ある程度時間をかけて複数ページを検索したものしか計上していないデータである。年間の訪問数は3万3千件程度であり、広報ツールとしての役割はある程度果たしていると言える。
しかし、インターネットを介したSNS等のソーシャルメディアが広く社会に普及してきている昨今、十分なアクセス数とは必ずしも言えない。インターネットツールをより有効に使うために、さらに魅力的なHPとすることは当然として、SNSなどの情報ツールを活用したネットワークの構築も、研究所の今後の活動スタイルを検討するうえでも重要なテーマである。
1日当たりHP訪問数:2018年 約90 、1日当たり検索ページ数:2018年 約170
※86名の会員がメールアドレスを保有。
(6)総会・研究会等
第44期総会 2018年9月19日(水)
NTCコンサルタンツ(株)会議室
1)総会:2017年度報告、2018年度計画
2)山崎記念農業賞 神奈川県三浦市高梨農場高梨雅人氏
3)記念フォーラム
テーマ;**農家直売とその仲間たち**―三浦半島の地産地消に学ぶ―
講 演;桑村治良氏(三浦半島食彩ネットワーク事務局)
「三浦の食に魅せられて」
高梨農場 高梨雅人氏
「直売を柱とした生産と販売、地域の活動」
櫻井清一氏(千葉大学園芸学部)
「日本型農産物直売所の30年」
参加者数 23名(外部講師2名含む、会員12名、非会員9名)
160回 定例研究会 2018年10月27日(土);現地
研究会;視察
現 地;埼玉県熊谷市妻沼地区 埼玉福興(株) 代表;新井利昌氏
テーマ;農福連携とソーシャルファーム
新井利昌氏
「ソーシャルファームとしての埼玉福興の活動」
林よしえ氏、奥村奈央子氏(デザイナー)
「デザインが生む障がい者福祉と社会の繋がり」
参加者数 12名(外部講師3名含む、会員6名、非会員3名)
161回 定例研究会 2019年4月26日(金)
NTCコンサルタンツ(株)大会議室
テーマ;映画「武蔵野」上映会
講 演;鈴木敏夫氏(武蔵野プロデューサー、農文協プロダクション代表)
「映画武蔵野の製作、公開について」
参加者数 26名(外部講師1名含む、会員11名、非会員14名)
(7)図書出版
2017年度末に韓国側と「自給再考」についての再販契約を締結。
第3号議案
2019年度活動計画
(2019年7月1日~2020年6月30日)
1. 基本方針
これまでは、定例研究会、現地研究会開催と、それに関わる機関紙「耕」の発行、「電子耕」の発行が研究所の主要な活動となっているが、一つの研究会を開催するだけで、テーマの検討、講師依頼や日程調整、広報宣伝活動、研究会後の機関紙の編集、発送作業など、多大な労力を必要とする。事務局員の本来業務が多忙な場合、研究所活動対応に遅れが生じるなど、会員に多大な迷惑をかけてしまうような事態が発生している。さらに、会員数や会費収入が停滞気味で、研究会参加者もここ数年20名前後にとどまっている。
年間活動費はおおよそ2百万円程度に対し、収入の基本である会費は60万円程度で、経常収入は事業収入と合わせて100万円程度にとどまっている。そのため、不足分は大山基金から繰り入れているが、基金は減少傾向にあり、このままでは研究所継続に重大な支障を及ぼす可能性がある。
このような現状を鑑み、研究所の在り方、運営方法を抜本的に見直し、①事務局の作業量の軽減や経費節減を実現するとともに、②情報ネットワーク社会に対応した活動スタイルの工夫を行い、③さらに、今年度は研究所創立45周年を迎えるため、45周年に向けた取り組みをベースに、研究所の今後の方向性を決定することを今期の最大テーマとする。
2. 研究所の運営体制
所長、幹事の任期は2018年7月1日~2020年6月30日(次回総会まで)であり、今年度は引き続き以下の体制で運営する。なお、石川秀勇氏が任期途中で逝去されたが、欠員のままの体制とする。
(1) 幹事会(50音順、以下同)
幹 事(所 長)山路永司
同 (事務局長)渡邊 博
同 佐々木哲美、塩谷哲夫、田口均、西山和宏、高木茂、益永八尋
監 事 松野 肇
(2) 事務局
渡邊 博(事務局長・総括)、田口 均(機関誌、出版)、
佐々木哲美、高木 茂(企画、研究会) 益永八尋(会計)
(3) 顧問(アイウエオ順)
熊澤喜久雄、小泉浩郎、田渕俊雄、中川昭一郎、松坂正次郎、安富六郎
3. 機関紙「耕」の発行
148号2019年12月(特集;第45期総会)
149号2020年 3月(特集;158回研究会-現地研究会)
150号2020年 7月(特集;159回研究会)
4. 研究活動
定例研究会については、開催日、テーマについて可能な限り早めに決定し、準備する。2019年度は総会フォーラムを含め以下の3回を計画する。
第45期総会 7月24日(水)
162回研究会(現地研究会)10月~11月 中旬
163回研究会(定例研究会)4月~5月
5. 今後の研究所の在り方について
昨年度、顧問の方々も加えた拡大幹事会において、今後の研究所の在り方について意見交換を行い、現状の活動を当面継続して行くことが確認されたが、会員の高齢化、減少、それに伴う会費収入の減少状況は、現実問題として現状の活動スタイルを継続していくのが極めて困難であることを示している。一方、独自性、独立性を保ち、農業農村の諸問題に切り込み社会に訴え続ける当研究所の活動を評価する声は少なくない。
そのため、活動の質を落とさず活動経費を最小限に抑え、持続的な研究所活動を可能とする方策を模索するために、機関紙「耕」の編集・発行方法や研究会開催方法などについて広く会員の意見を聴取しながら検討を進めていくこととする。