会員総会

会員総会議案書を公開しています。ただし、予算書と決算書は公開しません。予算書・決算書を必要とする会員の方は別途資料送付を行いますので氏名、住所等を記載し請求をおこなってください。

第1号議案
2016年度活動報告
(2016年7月1日~2017年6月30日)
1. 活動経過
主食用米の生産調整(減反)の直接支払交付金や行政による主食用米の生産数量目標設定の廃止による実質上の減反政策廃止、いわゆる「農業の30年問題」が農業の現場で不安視されている。1965年に1151万人以上もいた日本の農業就労者は、2015年には200万人(農林業センサス)までに激減し、しかも65歳以上が2/3を占め、40歳未満は7%に過ぎない。農業後継者が圧倒的に少ない状況で、離農者の受け皿となるべき大規模経営農家自体も厳しい経営状況に置かれている。減反廃止は攻めの農業を後押しすると歓迎する論調が一部にあるが、実際に農村地域を回ってみると、大量の離農者を生み出し、農業の衰退、地域のコミュニティの崩壊を招くのではないかという不安感が漂っている。
 一方、トランプ政権のTPP離脱があったものの、EUとの経済連携協定(EPA)が進行し、米国との2国間協定も今後避けられない状況である。日本より先に米国FTAを締結した韓国が、食料自給率24%で経済協力開発機構(OECD)34カ国中32位まで落ち込んだように、日本農業を取り巻く環境は極めて厳しいものになると予想される。
このような、農業の「産業化」や「グローバリズム」という流れの中にあって、山崎農業究所は農業の基本は家族農業や地域の協働に根差したローカリズムにこそ、その存立基盤があるという姿勢を貫いてきた。7月の総会での山崎記念農業賞授与は、有機農業を営む栃木県益子町の「川田農園」に授与した。川田農園は顔の見える相手との相対の関係による“農と食のつながり”を実践し、農業のローカリズムを体現している農家と言える。
10月の現地研究会は、武蔵野台地の農業と江戸の町を支えた玉川上水を訪ねての現地研究を開催し、先人が残した水と緑のネットワークを体感した。2月の定例研究会では、風水害や地震のような災害は単なる自然現象ではなく、社会や技術、さらには国、地方、地域の文化のありようと深くかかわっているという観点から「自然災害」をテーマとし、5月の定例研究会は「海外援助」をテーマに、富める国による貧しい国への援助といった単眼的な視点ではなく、「豊かさ」とは何かというベーシックな問題を、貧しいとされる国々からも学べることは少なくないのではという観点から開催した。
研究所活動の重要な柱である機関誌「耕」については、研究所の提言、意見をより幅広く広めるために、2015年度から農学系の大学や公立図書館に寄贈を始め、現在28大学、38公立図書館、22の法人に寄贈した。いくつかの寄贈先からは、『貴重な研究活動の成果』として寄贈を快諾する声も寄せられている。
一方、会員はピーク時(2002年)300人を超えていたが、現在は(2017年6月30日時点)172名まで減少し、かつ、この1年、新たな会員を迎えていない。研究所の持続性を担保するために、魅力ある研究所活動を通じた積極的な会員勧誘の取り組みは依然として重要課題である。

2. 組織運営
(1) 幹事会 
幹 事(所  長)小泉浩郎
    同 (事務局長)渡邊 博
同       山路永司、石川秀勇、塩谷哲夫、田口均、西山和宏、益永八尋
監 事      松野 肇
(2) 事務局
小泉浩郎(総括、表彰) 渡邊 博(総務、事業) 田口 均(機関誌、出版)
益永八尋(会計)
(3) 顧問
熊澤喜久雄、田渕俊雄、松坂正次郎、中川昭一郎、安富六郎
(4) 幹事会の開催
第1回幹事会  2017年  5月 20日 (幹事 5名、顧問2名)
第1回幹事会  2017年 6月 14日 (幹事 5名)
 適宜メール、電話での相談を主とし、会議形式は2回の開催
 (5)山崎記念農業賞選考(事務局)会議の開催
農業賞選考会議 2017年 6月 14日 (幹事 5名)
  幹事会をかねて選考会を開催
3. 活動の実施
(1) 機関紙「耕」の発行
139号 2016年11月15日  (部数;320部、寄贈 91部)
    特集 「グローバリゼーションからローカリゼーションへ」
140号 2017年3月31日  (部数;320部、寄贈 91部)
 特集 現地研究会「玉川上水を巡る」「自然災害と便化・技術」等
141号 2017年6月30日  (部数;320部、寄贈 88部)
    特集 「技術にも自治がある」「農の営みから現代社会を読む」等
社団法人等 22、自治体図書館 38 大学図書館 28

(2) はがき通信
No.249(16/10/07)、No.250(16/12/16)No.251(17/04/10)、No.252(17/06/16)

(3) 電子耕(メルマガ)
第390号~第401号、12回発行。発行部数980部(No.401)
  
(4) 研究所ニュース(会員向け)
第5号(16/08/01)、第6号(16/11/07)、第7号(17/01/01)、第8号(16/03/01)
第9号(16/06/01)

(5) 総会・研究会等
第42期総会     2015年7月23日(土)
   NTCコンサルタンツ(株)会議室  
1)総会:2015年度報告、2016年度計画
2)山崎記念農業賞 授与式  ㈱川田農園 代表川田修氏
3)記念講演
① 「選考委員報告」 渡邊事務局長
② 「お祝いのことば」京王プラザホテル和食総料理長 加藤 敏之氏
③ 「受賞者講演」  川田 修 氏(㈱川田農園 代表)
④ 「フォーラム」  
      解  題; 山崎農業研究所         小泉浩郎所長
話題提供; 元日本土壌協会専門委員     家常 高 氏
栃木6次産業化実践アドバイザー 小林俊夫 氏

 参加者;参加数 21名(講師3名含む、会員17名、非会員4名)
 
155回 定例研究会 2016年10月29日(土);現地
  研究会;東京都羽村市清流会館
  現 地;羽村堰~羽用水~府中青柳用水堰~野火止用水~井の頭公園
  テーマ;玉川上水の奇跡「ひとくい川」(安富先生より報告)
    参加者;参加数 21名(講師1名、会員12名、非会員9名)

156回 定例研究会 2016年2月4日(土)
  NTCコンサルタンツ(株)大会議室
      テーマ;自然災害と文化・技術
  講 演;大熊 孝氏 「技術にも自治がある―日本人の自然観と水防技術」
    大橋欣治氏 「地震、雷、火事、親父」考
      参加者;参加数 31名(講師2名、会員16名、非会員13名)

157回 定例研究会 2017年5月20日(土)
    NTCコンサルタンツ(株)大会議室
      東京都中野区本町一丁目32-5ハーモニータワー20階
      テーマ;「農の営み」から現代社会を見る
          ―アフリカと日本へのまなざしから―
講 演;勝俣誠(明治学院大学国際平和研究所Senior Research Fellow)
      参加者;参加数 27名(講師1名、会員 14名、非会員 13名)


第3号議案
2017年度活動計画
(2017年7月1日~2018年6月30日)
1. 基本方針
2017年度は、「耕」、「電子耕」の発行、4回の研究会(現地研究会及び総会フォーラム含む)の活動をベースに、さらに以下の点に力を集中していく。     
① 会員の維持
② 会費納入率の向上
③ 機関誌「耕」の投稿促進;
④ 研究所ニュース(サブ機関誌)の発行
⑤ 大山基金の有効運用

2. 研究所の運営体制
(1) 幹事会 
幹 事(所  長)小泉浩郎
    同 (事務局長)渡邊 博
同       山路永司、石川秀勇、塩谷哲夫、田口均、西山和宏、益永八尋
監 事      松野 肇
(2) 事務局
小泉浩郎(総括、表彰) 渡邊 博(総務、事業) 田口 均(機関誌、出版)
益永八尋(会計)
(3) 顧問
熊澤喜久雄、田渕俊雄、松坂正次郎、中川昭一郎、安富六郎

3. 機関紙「耕」の発行
(1) 発行計画
142号2017年11月(特集;第43期総会)
143号2018年 2月(特集;158回研究会-現地)
144号2018年 6月(特集;159回研究会)
(2) 会員投稿の促進
昨年度は会員からの投稿の促進を目標に掲げたが、現状では会員からの自発的投稿はほとんどなかった。しかし、会員の開かれた交流の場として「耕」を位置づけるならば、会員投稿が活発であることが必要であり、引き続き会員投稿の促進を今後の重要な柱として位置付ける。とくに、若い世代からの投稿を促すために、研究成果の発表などの場として「耕」を開放していく。掲載の可否は編集会議で決定するが、「耕」に掲載できなかった場合でも、電子「耕」や「究所ニュース」での発表も検討する。
4. 研究活動
(1) 定例研究会計画
定例研究会については、開催日、テーマについて可能な限り早めに決定し、準備する。2017年度は以下の4回を計画する。
  第42期総会        7月22日(土)
158回研究会(現地研究会)10月 中旬  テーマ;未定
  159回研究会(定例研究会)12月~1月  〃
  160回研究会(定例研究会) 4月~4月 〃

5. その他の重点事項
(1) 会員対策
ここ数年会員の長期減少傾向が続いている。山崎先生が当研究所を直接主宰していた当時の会員数120~130名に比べれば、まだ十分な会員数を抱えているといえものの、会員の高齢化が進み、若い世代への訴えかけを重要な課題として位置付ける。

(2) 会費納入率の向上
2,015年度は4年ぶりに納入率が80%を超えたが、2016年度は72%に大幅に低下し、前年度比で10ポイント近く納入率が低下しており、「はがき通信」や「ニュース」等による納入の呼びかけを意識的に継続していく。

(3) 寄付の呼びかけ
2016年度は、山崎記念農業賞基金へ26万円ほどの寄付金が寄せられたが、さらに寄付金の呼びかけを強化していく。特に、耕等の発送にあたって、会費だけでなく寄付金払込み用紙の同封などにより、寄付がしやすい工夫に努める。

(4) 研究所ニュース(サブ機関誌)の発行
会員向けの「研究所ニュース」は研究所の活動近況をできるだけ早く届けるために有効な手段であり、今後も年4回程度の配信を行う(6/30日現在電子メール配信92名、封書配信85名)。

(5) ホームページの充実
HPをリニュアールした2015年度は、ホームページ訪問者数、閲覧ページ数とも大幅に増加したが、2016年度は、アクセス件数日平均80件/日で、2016年度の93件/日を下回ったものの、2014年度以前(60~65件/日)は大きく上回っている。1日当たりの検索ページ数でも179ページ/日で2015年度の193ページ/日には及ばないものの、2014年度以前(100~120ページ/日)に比べると高水準を維持している。昨年度はリニュアール効果が顕著に表れたが、研究所の有力な広報ツールとしてHPをより一層活用するために、コンテンツの充実、新鮮さを保つよう一層力を入れることとする。

は山崎記念農業賞に組み入れる。

Ⅱ 第38回山崎記念農業賞表彰式
山崎記念農業賞 功労賞   表彰式 
選考理由          選考委員 渡邊 博 (事務局長)
贈 呈           所 長  小泉浩郎 
受賞者ご挨拶 釣島集落町内会長 池本三嗣氏
≪贈呈対象≫ 釣島集落・愛媛県松山市泊町
≪贈呈理由≫
第41回山崎記念賞の選考にあたっては、会員からいくつかの候補が寄せられ、幹事会(農業賞選考委員会)で検討した結果、小さな島の条件不利な地域にあって、集落の力で島の特性を活かし、持続的に農業を営んできた釣島を第一の候補に挙げ、小泉所長、山路幹事2名で現地調査を行った。

釣島(つるしま)は、愛媛県松山市に属し、興居島(ごごしま)の西に位置する有人島で、周囲 2.9 km面積 0.36 km2の小さな島である。江戸時代には松山藩の放牧場で、江戸末期に興居島から人が移り住んだのをはじまりに集落が形成されたといわれている。島の大部分を占める傾斜地は、かんきつ類の絶好の耕地となっており、島周辺は多くの釣り人が訪れている。半農半漁の島で、以前はタコが良く採れたが現在は漁業を営んでいる人はほとんどなく、農業が中心となっている。南斜面での果樹栽培が盛んで、なかでも"いよかん"や"せとか"、"紅まどんな"などの柑橘が多い。農家の果樹栽培にかける意欲は高いものの、釣島の耕地面積は限られているため、最近は近隣の興居島にも農地を所有し、船で出作している。

かつて、この島は、松山市から十数kmの海路だが定期船がなく(現在2往復)、無医村で、耕地は限定され、水は無く(週一回の水道船、最近やっと海水の淡水化装置が入るが、まだ飲料水以外は雨水依存)、乗用車の通る道もない。だが、全戸専業農家、後継者もその配偶者もいる。釣島の世帯数は29戸で、近年はほとんど変化がなく推移している。最近小学校が休校(いずれ復活することを願い、廃校ではなく、休校という形をとっている)、小学生を持つ所帯が家を残したまま島を離れざるを得なくなっても、本土や隣の興居島から「通い百姓」をしている。

小さな島で皆で暮らすという自治意識、世代(青年層・婦人層・高齢者層)ごとの活動、家庭内の世代間役割分担、最新技術の研鑽と継承(いち早い温州から伊予柑への転換など)、生活環境基盤(海水の淡水化による上水道整備等)やかんがい施設・農道などの生産基盤等の整備にも積極的に取り組んでいる。その結果、風土の恵みを活かした産地形成、世代を引き継ぐ家族農業経営に成功し、さらに島の歴史と文化に誇りと自信を持っている。

 時代を読み話し合いを重ねてきた活動には、将来の我が国の農業・農村の姿が展望され、学ぶべき点が多く、ここに、さらなる発展を祈念して第41回山崎記念農業賞を贈ることとした。

Ⅲ 記念フォーラム
  山崎農業賞・山崎記念農業賞 受賞者に学ぶ
 **瀬戸内海の小さな島「釣島」から本来の「農業」と「暮らし」を学ぶ**
 ① フォーラム解題 ;山崎農業研究所 所長 小泉浩郎
 ② 「離島のマイナスを地域づくりの原動力に」 池本三嗣氏
 ③ 「柑橘で釣島を“宝の島〟に(仮)」 JA釣島支部長 山岡建夫
 ④ 記念講演 「今、離島は元気(仮)NPO離島経済新聞社代表 大久保昌宏氏
 ⑤ 討論